ハバード模型 (Hubbard model)
遷移金属酸化物の電子状態を記述する理論模型としてHubbard・Kanamori(金森)・Gutzwillerらによって独立に提案された模型。最近接のトランスファーとオンサイトクーロン相互作用のみを含む単純な模型であるものの、その理論解析は難しく一次元などの限られた場合にしか厳密なことはわかっていない。強磁性・反強磁性・モット絶縁体・高温超伝導など現在の固体物理で注目されている多くの現象を記述する最も基本的な模型として盛んに研究が行われている。少数サイトのハバード模型の厳密対角化を行えるソフトウェアとして、ALPS、SpinPack, HΦがあり、HΦでは動的物理量計算及び熱的純粋量子状態を用いた有限温度計算も可能である。また、動的平均場近似を用いた計算はALPS,pyDMFTを用いて行えることができ、変分モンテカルロ法を用いた計算をmVMCを用いて行なうことができる。