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  • X線を物質に照射すると、物質に含まれる原子の内殻励起に起因する元素に特有なエネルギーでX線吸収が起こる。このX線吸収端における吸収スペクトルの微細構造をXAFS(X-ray Absorption Fine Structure, X線吸収微細構造)と呼び、これを解析することで原子の局所構造に関する情報を得ることができる。X線分光解析にあたって、着目する原子および隣接する原子の電子状態を計算し、実験と比較することが必要となる。X線分光解析用のアプリ(FEFF, Demeter, Missingなど)には電子状態計算を行う機能がついており、実験との比較を簡単に行うことができる。また、X線吸収スペクトルを計算する機能が付属している第一原理計算アプリ(WIEN2k, Exciting, Quantum ESPRESSO, ABINITT, AkaiKKR, SPRKKR, GPAWなど)を用いることで、より精度の高い分光解析を行うことも可能である。
    X線分光解析
  • エネルギー表示法
  • 量子モンテカルロ (QMC) 法に基づいた手法である。シュレディンガー方程式の解における虚時間発展の演算子は、基底状態への射影演算子として働く。拡散モンテカルロ法では,それぞれ重みをもつ,多数のウォーカーを用意し,基底波動関数からなる空間内でランダムウォークさせる.その際,ウォーカーの分布関数が虚数時間依存のシュレーディンガー方程式の時間発展を満たすようにランダムウォークの規則を選ぶ.初期分布を求める際など,他の変分原理に基づく計算法と合わせて使われることが多い.アプリケーションとしては、CASINO や QWalk などがある。
    拡散モンテカルロ法
  • 内殻電子軌道は化学結合にほとんど寄与しないことから、その影響を有効的なポテンシャル(擬ポテンシャル)に押し込めることで、計算量を減らすことができる。これによって、比較的緩やかに空間変化する外殻軌道のみを考慮すればよくなり、特に平面波基底を用いる場合に基底関数系の大きさを抑えることができる。
    擬ポテンシャル法
  • クラスター展開法
  • 第一原理計算手法の一つ。手法名は開発者のKorringa, Kohn, Rostokerの頭文字からとられている。有効ポテンシャルによる電子の多重散乱の効果をグリーン関数によって記述し、これを数値計算によって求める方法である。密度汎関数法と組み合わせることにより、高速な電子状態計算を行うことができるほか、CPAの方法を組み合わせて不純物問題や不規則合金の電子状態の計算にも応用できるという特色がある。原理的には密度汎関数法に関連する様々な手法が適用できるが、公開されているパッケージでは擬ポテンシャル近似およびマフィンティンポテンシャルによるモデル化を採用している。
    KKR法
  • 波動関数を原子核周辺に局在した関数の線形結合で表現する手法。数値基底やガウス関数などが用いられる。原子の波動関数に似た形をしているため、平面波基底に比べてかなり小さな基底関数系でも分子や凝縮系の波動関数をよく表現できる。一般的に、原子局在基底は互いに直交しないので、多く取れば取るほど精度が良くなるというものではないが、近年では、過完備性を避けながら局在基底関数を構成する方法が多くの第一原理計算アプリケーションで実装されている。原子から離れた場所に電子が存在する場合(エレクトライドやfloating状態など)の取り扱いについては、空原子基底の配置などによって対応可能であるが、その配置方法については系ごとにユーザーが検討する必要がある。また、分子動力学計算やnudged elastic band法などによるダイナミクスの計算を行う際には、空原子基底の位置の制御が難しい場合もある。
    原子局在基底・ガウシアン基底
  • 量子多体系を記述するハミルトニアンを行列表示して、その行列を対角化して固有値・固有ベクトルを求めることで量子多体系の性質を求める手法。近似を用いることがないため、有限サイズではあるものの、一番信頼のできる数値計算手法として幅広く用いられている。しかし、波動関数の次元は系のサイズに対して指数関数的に増大することから、十数サイト程度でも、行列の全固有値・全固有ベクトルを求める完全対角化は不可能となり、低励起状態のみを求めるLanczos法などの大規模行列に対する解法を使う必要がある。Lanczos法を用いた量子多体系に対する大規模行列の厳密対角化を行なう、先駆的なパッケージとしてTITPACK, KobePack, SpinPack などがある。また、ALPSでは様々な模型に対して、完全対角化を行なうことが可能である。最近では、一般的なハミルトニアンに対して、大規模並列に対応したソフトウェアHΦが開発されている。
    厳密対角化
  • 原子や分子を古典的な粒子と考え、ニュートン方程式を解くことによりその動きをシミュレーションする手法。微分方程式の解法としては、ルンゲ・クッタ法や速度Verlet法などの積分法が用いられる。エネルギー一定・体積一定のシミュレーションだけでなく、例えば能勢-Hooverの熱浴を導入することにより温度一定の条件でシミュレーションを行うことができる。同様に、圧力一定や化学ポテンシャル一定など、様々なアンサンブルでの計算が可能である。粒子間のポテンシャルエネルギーは力場と呼ばれる。力場についても、剛体球ポテンシャルやレナードジョーンズポテンシャルのような単純なものから、クーロン相互作用のように長距離に及ぶもの、第一原理計算の結果をフィッティングすることにより得られた非常に高精度なものなど、研究の目的や対象に応じて、種々様々な力場が用いられる。
    古典分子動力学法
  • 古典モンテカルロ法・量子モンテカルロ法
  • 不規則系を取り扱う代表的な近似理論。乱れのある系や合金系などの不規則系の電子状態計算では、完全結晶を前提とするバンド理論による記述が難しくなるが、CPA近似では原子組成の不規則性の影響を1サイト近似の範囲内で自己完結的に取り扱うことで、現実の合金系の性質を定量的に記述することに成功している。第一原理計算手法の一つであるKKR法に組み込まれて不規則系の電子状態計算に利用されるなど、固体物理学のさまざまな問題に活用されている。
    コヒーレントポテンシャル近似(CPA)
  • 多電子系の準粒子エネルギーを摂動論的に求める手法の1つ。多電子系の自己エネルギーを1粒子グリーン関数Gと遮蔽クーロン相互作用Wで近似する。これによって、光電子分光スペクトルなどが、局所密度近似や一般化勾配近似を用いたKohn-Sham法に比べてかなり精度良く求まり、実験との定量的な比較が可能になってきている。ほとんどの計算コードでは、GW近似はKohn-Sham波動関数に対する摂動の形で実装されている。
    GW法
  • 時間依存する多電子系の電子状態を密度汎関数法の枠組で取り扱う手法。通常の密度汎関数法では、基底状態のエネルギーが電子密度の汎関数で与えられることを前提とするが、これを時間依存する系へと拡張して、時間依存する電子密度についての汎関数を構成することができる(ルンゲ-グロスの定理)。この汎関数から導かれる方程式を解くことにより、分子や固体の電子状態の時間発展を高速に計算することができる。強い外場下での非線形応答を議論できることが特徴であるが、系の線形応答(光学応答や誘電応答など)を計算する際にも用いられる。多くの第一原理計・量子化学パッケージでサポートされており、代表的なものとしてVASP, CASTEP, ABINIT, QUANTUM ESPRESSO, PHASE, Gaussian, GAMESS-USなどを挙げることができる。
    時間依存密度汎関数法(TDDFT)
  • 実空間基底
  • スパコンなどの大規模共用計算機では、ユーザは使いたい計算機資源(計算機の数と時間)を要求し、ジョブ管理システムから動的に割り当てられた資源を使って計算(一般にジョブと呼ぶ)を行う。この一連の流れを補助するために、自動で資源申請を行ったり、割り当てられた資源を自動的にうまく使ったり(負荷分散・ロードバランス)、計算の途中経過を保存・再開したり(チェックポイント機能)、計算結果を入力とともに保存・管理・整形したりする機能を持ったツール・ライブラリが存在し、本サイトではこうした機能を「実行ジョブ管理」と称する。
    実行ジョブ管理
  • 3D-RISM理論
  • 全電子計算法
  • 全電子混合基底法
  • 第一原理分子動力学法
  • 強相関量子格子模型を解く際に、空間相関を無視するものの虚時間方向の相関(動的相関)を精度良く取り込む手法。空間相関が無視できる無限次元、またはそれと等価なベーテ格子などで厳密な計算手法となっている。この手法では、元の格子模型を中心サイト(不純物)と周辺サイト(有効媒質)とに分けて、有効媒質中の不純物問題(アンダーソン模型)に焼き直す。この不純物問題を、有効媒質のグリーン関数・自己エネルギーが元の格子模型のグリーン関数・自己エネルギーに等しいとする条件(自己無撞着方程式)のもとで解くことで、元の格子模型のグリーン関数を含む様々な物理量を求めることができる。不純物問題を解くために厳密対角化、数値繰り込み群法、量子モンテカルロ法などが用いられている。空間相関を取り込むための拡張が盛んに行われている。
    動的平均場近似
  • 原子軌道間の重なり積分などの量を数値計算するのではなく、簡単な近似や実験によって得られたパラメータ値を利用することで電子状態計算を行う手法。大きな系の電子状態計算を高速で行うことができる。量子化学計算の分野では、ヒュッケル法(π軌道のみに着目し、重なり積分を無視して隣接原子間の軌道に関するクーロン積分・共鳴積分のみを考える)や拡張ヒュッケル法(π軌道のほかにσ軌道の効果も含める)などが代表的な手法であり、固体の分野では、実験値を再現するような強束縛モデルを利用することも行われる(Slater−Koster法など)。
    半経験的電子状態計算
  • フェーズフィールド法
  • 巨大な分子の量子化学計算に用いられる方法.巨大な分子系を小さなフラグメントに分割し、フラグメントとフラグメントペアについて、他のフラグメントの静電ポテンシャル下で、分子軌道法と同様の計算を行うだけで、分子の全エネルギーを計算する方法である。
    フラグメント分子軌道法
  • 波動関数を平面波展開で表現する手法。平面波は規格直交基底をなすので、基底を大きくすれば(たくさんの異なる波長を有する平面波を用意すれば)しただけ単調に精度が良くなる。しかしながら、原子核付近の波動関数の急峻な変化を表現するためにはかなり多数の平面波を要するため、不向きである。これを回避するために、(L)APW法や擬ポテンシャル法が考案された。
    平面波基底
  • 試行波動関数を用意して、その試行波動関数が含むパラメータを変分原理に従って最適化することで量子多体系の基底状態(または低励起エネルギー状態)の波動関数を求める手法。フェルミオン系に対する応用では,試行波動関数として一体部分(Slater行列式)に多体相関をとりこむために密度相関の演算子を指数関数の肩にのせたGutzwiller-Jastrowタイプの相関因子を付け加えた波動関数を用いるのが一般的である。試行波動関数に対する物理量の期待値計算の部分にモンテカルロ法を用いているため、変分モンテカルロ法と呼ばれている。モンテカルロ法ではあるものの負符号問題は発生しないため、様々な系に適用できる汎用性の高い手法であることから、第一原理計算[CASINO]・量子化学計算[QWalk]・格子フェルミオン系[mVMC]など幅広く用いられている計算手法である。
    変分モンテカルロ法
  • テンソルネットワーク法は,離散空間量子多体系の基底状態での物理量期待値を求めるための方法で,テンソルネットワーク状態(TNS)を変分関数とする変分法である.テンソルネットワーク状態とは,適当な直交基底系で状態を展開したときの展開係数が(通常系の自由度数に比例する個数の)テンソルの積であらわされるような状態のことである.用いられるテンソルが3階であるときが密度行列繰り込み群に対応する.密度行列繰り込み群の場合と同様,テンソルの次元を大きくすると任意の量子状態が表現可能になる.ネットワークの構造,テンソルの最適化方法,積の縮約方法のそれぞれについて複数の選択肢があり,テンソルネットワーク法はそれらの総称である.
    テンソルネットワーク法
  • 密度汎関数理論に基づいて系のエネルギーや種々の物性を計算する手法全般。密度汎関数理論は、系によらない電子密度の一意な汎関数から系のエネルギーや物性を計算できることを示したHohenberg-Kohnの定理によって理論的基盤を得た。この定理は、N電子系を記述するのに、3N個の変数を有する波動関数に対するシュレディンガー方程式を解く必要はなく、3個の変数を有する電子密度を取り扱えば十分であることを示している。従って、多電子系を記述するための非常に強力な理論であるが、汎関数の形そのものに対する処方箋を与えるものではない。汎関数の良い近似形については現在も盛んに研究が行われている。
    密度汎関数法
  • リートベルト解析
  • ポテンシャル中の電子の散乱問題を取り扱うときに有効な計算手法。電子のグリーン関数を直接計算することで、電子の透過振幅・反射振幅などを評価することができる。ランダウアー公式と組み合わせることで、ナノスケール素子の電子の輸送特性を評価することが可能である。リカーシブグリーン関数法では、空間メッシュを導入したのち、電子の伝搬方向に沿ってグリーン関数を逐次求めることで、電子の散乱状態についての高速な計算を実現している。磁性体・超伝導体などを取り扱うこともできる。代表的なアプリはKwantである。
    リカーシブグリーン関数法
  • 量子化学計算
  • ニューラルネットワーク
  • ベイズ最適化
  • 分割統治法
  • 密度行列繰り込み群法は,離散空間量子多体系の与えられたハミルトニアンに対して,その基底状態における諸物理量の期待値を求めるための手法である.変分関数として行列積状態を用いた変分法とみなすこともできる.したがって,一般に行列積状態がよい近似を与えるような場合,例えば1次元的な量子多体問題などで効果的である.この方法は行列積状態の構成要素である行列の次元を大きくすることで原理的にはいくらでも近似の精度を上げることが可能であり,行列次元の関数として計算結果がどのように変化するかが計算の信頼度を図る一つの指標になる.また,行列積状態はテンソルネットワーク状態の特殊な場合であるので,DMRGはテンソルネットワーク法の特別な場合とみなすこともできる.
    密度行列繰り込み群(DMRG)

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