量子化学計算ソフトウェアGAMESSと合わせて配布されている電子状態計算ソフトウェア。エネルギー密度解析と分割統治法(DC法)を組み合わせる事で、電子相関を含む精度の高い量子化学計算が短時間で実行できる。スーパーコンピュータを使う事で、これまで困難だった多数の原子を含むナノ構造体の超高精度計算も可能。
分割統治(DC)法に基づくDFTB (Density Functional Tight Binding)計算アプリケーション。大規模分子の構造最適化や分子動力学シミュレーションを線形スケーリングで実行する。MPIとOpenMPを用いたハイブリッド並列計算により、京コンピュータ上で100万原子系のDFTB電子状態計算が可能。
深層学習による原子間力ポテンシャル構築のためのPython/C++ベースのソフトウェアパッケージ。局所構造に合わせた座標系を基準にして原子環境記述子を定義するDeep Potentialを実装している。多数の第一原理計算アプリおよび分子動力学計算アプリの出力を学習データとして利用可能で、学習済みのポテンシャルはLAMMPSによる分子動力学計算およびi-PIによる経路積分分子動力学計算で利用できる。
DFTB (Density Functional based Tight Binding)法による量子化学計算アプリケーション。通常のエネルギー計算の他、DFTB力場による構造最適化や分子動力学が可能。OpenMPによる並列化が可能で、分子軌道等の可視化ツールも公開されている。MPIで並列化されたバージョンや非平衡グリーン関数法による電子輸送計算を実装したバージョンもある。
密度汎関数理論に基づく第一原理計算アプリケーション。Material Studioに含まれ、全電子計算法・擬ポテンシャル法などを用いて分子、クラスタ、結晶、固体界面などを含む広範囲な系の電子状態や物性を評価することができる。触媒反応や燃焼反応などの化学反応を伴う計算が可能で、大規模並列計算にも対応している。
全電子計算法に基づくオープンソースの第一原理計算アプリケーション。バルク・表面・磁性体などの系の高精度な密度汎関数計算が可能。標準的な手法(LDA,GGAなど)に加え、LDA+U法、スピン軌道相互作用・ノンコリニア磁性の評価、フォノン計算などに対応しており、OpenMPとMPIのハイブリッド並列計算にも対応している。
原子基底を用いた全電子計算法に基づく第一原理計算アプリケーション。広範な物理系に対して高精度の電子状態計算を行う。ハイブリッド汎関数を含む多くの汎関数セットを有し、相対論効果、多体摂動論、GW法などにも対応している。100種を超える元素を扱えるほか、デスクトップから1万CPU程度の計算機まで高い並列効率を保つ。
非経験的量子化学計算を行うアプリケーション。ハートリー-フォック理論、密度汎関数理論、多体摂動論、配位間相互作用理論など、様々な量子化学理論を用いた分子の電子状態計算が可能。GAMESS-USをインテル互換CPU 用に特化させたものであるが、最近発展した計算手法(CC法やFMO法など)は含まれない。
全系を小さなフラグメントに分割して計算することにより、巨大分子・分子系の分子軌道計算を高効率に行うソフトで、量子化学計算プログラムGAMESSに組み込まれている。タンパク質とリガンドの間の相互作用評価など、生体高分子の構造と機能に関するさまざまな知見を得ることができる。
局在基底・全電子計算法に基づく第一原理計算アプリケション。通常の全電子計算法(Full-potential LAPW法)に比べ、基底の数を減らしながらも精度を保つことにより、高速の電子状態計算が可能。コヒーレントポテンシャル近似(CPA)による不規則構造の計算ができ、相対論効果やLSDA+Uの取り扱いも可能。