量子化学計算を行うオープンソースアプリケーション。ハートリー-フォック近似、密度汎関数理論、結合クラスター法、CI法などを用いた量子化学計算を行うことができる。プログラムはC++で書かれているが、Python用のAPIが提供されており、Python上から設定や計算の実行などを行うことができる。
物質科学計算に特化した結晶構造の探索と特性予測のための高効率なフレームワーク。主に密度汎関数理論に基づく計算のセットアップ、実行、結果の解析を自動化することができる。数百万以上の結晶構造のデータを提供しており、材料探索のため高スループット計算に利用可能。さまざまなDFTコード(VASP, Quantum ESPRESSOなど)とのインターフェイスも用意されている。
原子スケールの磁性をモデル化するために設計されたJuliaパッケージであるSunny.jlでは、平衡および非平衡状態における磁気現象を微視的モデルからシミュレーションできる。動的スピン構造因子の計算を容易にし、中性子散乱やX線測定などの実験データと直接比較することが可能。また、Landau-Lifshitzスピンダイナミクスを拡張してスピンをSU(N)コヒーレント状態として扱うこともでき、強い単一イオン異方性を持つ材料のモデル化に有用である。さらに、平衡および非平衡状態のスピン配置をサンプリングするための強力なモンテカルロアルゴリズムを提供されており、幅広い物理現象の研究に適用できる。
有効模型をベイズ最適化を用いて有効模型を導出するツール(BEEMs =Bayesian optimization tool of Effective Models )。
与えられたハミルトニアンから磁化曲線を求める順問題ソルバーとして、量子格子模型ソルバーHΦが使われている。ターゲットの磁化曲線と計算で得られた磁化曲線の差がコスト関数として用いられ、ベイズ最適化ライブラリPHYSBOによって、コスト関数を最小にするよう次の候補ハミルトニアンが提案される。
原子間の磁気的有効相互作用(交換相互作用やジャロシンスキー・守谷相互作用)を、ワーニエ関数やLCAO計算に基づく第一原理ハミルトニアンから自動計算するためのpythonパッケージ。Wannier90やSiesta, OpenMXで計算されるハミルトニアンを利用することができる。Vampireなどの磁気構造シミュレーターの入力ファイルも生成できる。
飽和磁化近傍の量子スピン模型を効率よく取り扱える厳密対角化パッケージ。飽和磁化極限であれば1000サイトを超えるような非常に大きなシステムサイズを取り扱える。波数に依存したエネルギー分散や動的なスピン動的構造因子を計算することも可能。
量子モンテカルロ法を用いたオープンソースの不純物ソルバ。不純物アンダーソン模型などの相互作用を有する不純物系の熱平衡状態を、混成展開による連続時間量子モンテカルロ法によって評価することができる。動的平均場理論のソルバーとして利用でき、多軌道動模型を取り扱うこともできる。MPIによる並列計算にも対応している。
テンソルネットワーク法、特にPEPS 波動関数状態と角転送行列くりこみ群法を用いた、二次元量子格子模型の基底状態ソルバー。
mptensor ライブラリを用いることでテンソル演算部分をハイブリッド並列化しており、大規模並列計算に対応している。
強相関物質の物性を第一原理的に計算するためのパッケージ。 密度汎関数法(DFT)と動的平均場理論(DMFT)を組み合わせた手法を用いている。乱れのある物質や合金をCPA+DMFTで計算することも可能。