SMASHのsekirei(物性研スパコン)でのコンパイル・使用例
Last Update:2021/12/09
コンパイル方法:
ここでは、SMASHの物性研スパコンsystem Bへのインストール方法について紹介します。
まず、SMASHを公式サイトから最新バージョン(2018年6月現在ではsmash-2.2.0.tar)をダウンロードしてださい。
次にインストールしたい場所にダウンロードしたファイルを持ってきて解凍してください。
cp ~/smash-2.2.0.tar ./
tar -xvf smash-2.2.0.tar
解凍して出来たsmashディレクトリに入りmake と打ってください。
無事に終了すると、ディレクトリbinに”smash”とできます。
また、smashディレクトリ下にあるvisualに入ってmakeを実行すると”vtk-generator”と”cube-generator”が作られます。これらは”smash”で得られた軌道の出力を可視化するために使われます。
以上で、system B上でSMASHを使う準備が完了しました。
実行例:
examplesの中に色々なインプットファイルとそれらの出力ファイルがあります。
ここではホタルなどの生物の発光素であるルシフェリンのエネルギー計算を例として紹介します。
計算の準備
まずは実行ディレクトリを作ります。
smashディレクトリ下に実行用ディレクトリtestを次のコマンドで作成し、移動します。
mkdir test cd test
次にインプットファイルを用意します。“b3lyp-energy.inp”というファイルをexampleからコピーしてきて、
jobとgeomの間の行に,
control check=b3lyp-energy.chk
を追記してください。これをつけると計算終了後に軌道の可視化を行えるようになります。
なお、このインプットファイルでは汎関数としてB3LYPを、基底としてcc-pVDZを使っています。
計算の実行
次に、実行のために必要なジョブスクリプト(sekirei_job.sh)を用意します。
以下のような内容のファイルを作成してください。
#!/bin/sh #QSUB -queue i18cpu #QSUB -node 1 #QSUB -mpi 24 #QSUB -omp 1 #QSUB -place pack #QSUB -over false #PBS -l walltime=30:00 #PBS -N ex_Luciferin cd $PBS_O_WORKDIR . /etc/profile.d/modules.sh module load intel/16.0.1.150 mpt/2.12 mpijob ../bin/smash < b3lyp-energy.inp > b3lyp-energy.out ../visual/cube-generator b3lyp-energy.chk b3lyp-homo.cube MO HOMO
続いて、以下のコマンドを実行して計算を行います。
qsub sekirei_job.sh
上述のジョブスクリプトを使うと、約10秒ほどで計算が終了します。
実行結果
b3lyp-energy.outにはエネルギーやマリケン電荷などの情報が入っています。
計算が正常に終了していたら、ファイルの最終行が
Your calculation finished with 0 warning(s).
となっています。
b3lyp-homo.cubeはGaussian cube形式の3次元グリッドデータであり、Molekel や VESTA などの可視化アプリで可視化できます。詳しい使い方等はVESTAのレビュー記事 を参考にしてください。実際の出力結果(HOMO軌道)は左の図のようになります。