VESTAの利用例
Last Update:2021/12/09
はじめに
VESTAは結晶構造の可視化に役立つソフトウェアである。執筆者もよく利用するソフトウェアであるが、使いやすく、美しい結晶構造の図が簡単に描画できる。さらに第一原理計算ソフトウェアの入力ファイルへの変換や、計算結果の可視化にも利用できる。
ここではVESTAのインストール方法、cifファイルの入手方法、結晶構造の表示の仕方を簡単に述べる。
インストール方法
VESTAは各種OSに対応したバイナリが用意されている。下記Webページからダウンロードしてインストールを行う。
http://jp-minerals.org/vesta/jp/
cifファイルの入手方法
結晶構造ファイルはcifファイル形式で配布されている。cifファイルは各種データベースから入手できる。
例えばNIMS物質・材料データベースの無機材料データベースには、8万件以上の結晶構造データが登録されている。
http://mits.nims.go.jp/
ここでは下記の結晶構造ギャラリーに掲載されている結晶構造ファイルを利用してみよう。
https://staff.aist.go.jp/nomura-k/japanese/itscgallary.htm
Webページ中のリストの最初にある酸化ジルコニウムの欄の「cif」と書かれているボタンをクリックし、結晶構造ファイル(ZrO2-25C.cif)を入手する。
結晶構造の表示方法
VESTAを起動し、File→Openとし、ダウンロードしたファイルを選択すると、酸化ジルコニアの結晶構造が表示される。図はマウスで回転や拡大・縮小させることができる。
もっと見栄えをよくしてみよう。Edit→Bondsとすると、下記のWindowが開く。
Newボタンを押し、A2のリストをO(酸素原子)に、Min. lengthを1.8, Max. lengthを2.2とする。これによって、ZrとOが1.8Åから2.2Åの間の距離にある場合に原子間ボンドを表示される。さらにObjects→Boundaryを選択し、新しく開くウィンドウでx(max)を2, y(max)を2とすると、x,y方向にユニットセルの2周期分を表示するようになる。
おわりに
VESTAでは多彩な表示オプションをもっている。詳しい情報は下記Webを参照のこと。
VESTAのマニュアル
http://jp-minerals.org/vesta/jp/doc.html
VESTAの簡単な使い方
http://e-m.skr.jp/sub/VESTA-v001-gaku.pdf