開発者の声
アプリの魅力
密度汎関数理論の基本方程式(コーン・シャム方程式)を、計算機上でいかに効率よく計算させるかを工夫したソフトウェアがRSDFTです。RSDFTでは、並列計算機の性能を十分に引き出せると理論的に知られていた実空間法を用いて波動関数を計算する手法を開発してきた。実空間法で波動関数を計算するため、FFTを用いる必要がなく、通信の問題を解消しています。
アプリの可能性・応用可能性
パソコンや携帯電話などの電子機器に不可欠な半導体デバイスは、消費電力の抑制と高速化を実現するため、その小型化が進んでいます。数ナノメートルまで小さくなったデバイスでは、電子の量子力学的ふるまいが直接性能に影響を与えるため、実験のみでは詳細なデバイス設計方針を立てることが難しく、第一原理計算への期待が高まっています。
例えば、実際のシリコンナノワイヤ型トランジスタでは、断面の直径が10~20ナノメートル、電流の流れる距離が5~10ナノメートル程度になると予想されおり、その中には約10万個のシリコン原子が入っています。このサイズは「京」により計算できるサイズと同程度ですので、その物性を明らかにし実用化に貢献したいと考えています。