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LOBSTER

  • 公開度:3 ★★★
  • ドキュメント充実度:2 ★★☆

電子軌道間の化学結合性を評価するCOHP (crystal orbital Hamilton population)およびCOOP (crystal orbital overlap population)を第一原理計算の結果から計算するポストプロセスツール。VASP、ABINITおよびQunantum ESPRESSOに対応する。独自のアカデミックライセンスのもとで提供されている。

LOBSTERのテスト計算 体験記
Last Update:2024/09/02
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Masahiro FUKUDA

はじめに

ここではLOBSTERのテスト計算を行ったレビューを書きます。

インストール・コンパイル方法

LOBSTERは公式サイトよりダウンロードできます。

ソースコードは配布されておらず、windows, mac, LinuxそれぞれのOS対応の実行バイナリファイルが配布されているため、インストールやコンパイルは不要です。氏名・所属・メールアドレスを記入してライセンスに同意することでダウンロードできるようになります。LOBSTER 5.0.0のダウンロードファイルは全部で約900MBほどありますが、実行バイナリは11MB程度です。実行バイナリの他に、マニュアルやテスト計算用のexampleファイルが含まれています。

また、計算結果の可視化にはwxDragonという解析・可視化ツールを使用します。

今回はLinuxでテスト計算を行います。

(windows版のwxDragonはレイアウトが崩れて使いにくかったので、今回はLinux環境(Windows11+WSL2)を利用してレビューしていきます。)

まずは、ダウンロードファイルを解凍します。

$ tar zxvf lobster-5.0.0.tar.gz

wxDragonも同様に解凍します。

$ tar zxvf wxDragon_Linux.zip

どちらのアプリもバイナリのみが提供されており、コンパイル不要です。

解凍したディレクトリには、実行バイナリの他に、マニュアルとサンプルインプット(ABINIT, VASP, QE, Generic)が用意されています。GenericはDFTコードではなく、平面波基底のDFT計算の構造や波動関数データなどを共通のjsonファイルにまとめたインプットサンプルとなっています。

今回のテスト計算では、DFT計算は行わず、GenericディレクトリにあるLi4I4(Cubic)のデータを使って、DOSやCOHPの計算を行い、データの可視化を行います。

インプット・アウトプットファイル

  • standard input: lobsterin
  • standard output: lobsterout
  • インプットファイル(DFT計算から得られる波動関数データ)
    • Generic
      • LobsterInput.json
      • LOBSTER_Kpoints
  • アウトプットファイル
    • CHARGE.lobster
    • COBICAR.lobster
    • COHPCAR.lobster
    • COOPCAR.lobster
    • DOSCAR.lobster
    • GROSSPOP.lobster
    • ICOBILIST.lobster
    • ICOHPLIST.lobster
    • ICOOPLIST.lobster
    • MadelungEnergies.lobster
    • POLARIZATION.lobster
    • POSCAR.lobster
    • SitePotentials.lobster
    • bandOverlaps.lobster

実行方法・実行結果

DFT計算を行ってwave functionの情報が出力されているディレクトリ内で、lobsterinを作成し、以下を実行します。

$ ${PATH_LOBSTER}/lobster

標準出力はlobsteroutに記録されています。

今回行うGenericディレクトリに入っているサンプルはLi4I4(Cubic)構造になります。POSCAR.lobsterに構造ファイルが出力されています。名前をPOSCARに変更し、VASPの構造ファイル可視化のviewerなどで、可視化できます。(以下の図はPOSCARをcifに変換し、OpenMX Viewerを用いて描画しています。)

結果の可視化

ここでは、結果の可視化の例として、DOSとCOHPの結果をwxDragonを用いて可視化します。

まずはDOSとPDOSの描画を行うため、以下のコマンドでwxDragonを起動します。読み込みに少し時間がかかるので辛抱強く待ちます。

$ wxDragon DOSCAR.lobster

 

ここのSetting panelでx,yの範囲も指定できます。

上記の手順でDOSとPDOSの図が描画できる。”Export as …”ボタンでepsやjpeg形式での保存にも対応しています。

出力された図は以下のようになりました。

同様にして、Li-I間のCOHPとCOOPを描画することができます。

$ wxDragon COHPCAR.lobster
$ wxDragon COOPCAR.lobster

DOSの図より-3eVから1eVの間にバンドギャップがあることが分かります。-pCOHPが-7eVから-3eVあたりで正(結合的)、1eVを超えたところで負(反結合的)となっていることから、Li-Iの結合によりバンドギャップが開いている様子が分かります。

まとめ

本レビュー記事では、平面波基底のDFT計算結果からLOBSTER+wxDragonを用いることでDOS・PDOSとCOHP・COOPの計算と描画テストを行いました。描画ソフトのwxDragonは一見便利ですが、PC環境によってはうまく描画されなかったり、途中で落ちてしますことがありました。matplotlibやgnuplotなどの利用に慣れているユーザがであれば、そちらを使うことも検討したほうが良いと思います。

LOBSTERは平面波基底のDFTにのみ対応していますが、局在基底を利用するOpenMX(ver. 4.0)やSiestaなどのようにDFTコード内でCOHP・COOPの計算に対応したアプリがあります。

 

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