Crystallography Open Database使用時の注意点と使用方法
Last Update:2022/02/25
(株式会社アカデメイア)
1. はじめに
Crystallography Open Database (COD)は結晶構造についてのオープンアクセスのデータベースです。2022/1/1現在48万もの結晶構造データがあり、自由に利用する事が出来ます。ただし、論文等でデータを利用する場合には参考文献を適切に引用する事が要請されています。ここでは、ライセンスおよび引用時の注意点と基本的な使用方法について解説します。
2. ライセンスとCODの引用について
CODのデータはCC0 1.0のライセンスで公開されています。
https://creativecommons.org/publicdomain/zero/1.0/deed.ja
こちらは、パブリックドメインのライセンスとなっており、データは非商用、商用を問わずに自由に利用する事が出来ます。
上記のライセンスにより、研究でも上記データを自由に利用する事が出来ます。ただし、CODのサイトにて適切に文献を引用する事が要請されています。研究でCODまたはその姉妹データベースであるPCOD (Predicted COD)のデータを用いる時は下記リンク先の論文を引用して下さい。
https://wiki.crystallography.net/cod/citing/
上記の引用とは別に、CODページの下部に、
“Users of the data should acknowledge the original authors of the structural data.”
との記載があり、構造データの元の文献の著者に謝意を示す必要があるとの事です。
3. 使用方法について
サイトの左側の”Browse”, “Search”, “Search by structural formula”それぞれからCOD内のデータを閲覧する事が可能です。
Browse
Browseでは、文献または出版年度から結晶構造をたどる事が出来ます。
http://www.crystallography.net/cod/browse.html
対象となっている文献や出版年度が分かっている場合はこちらを用いれば良いかと思います。
Search
SearchではCOD IDや論文誌、年度、組成等の情報から結晶構造を検索する事が出来ます。
http://www.crystallography.net/cod/search.html
調べたい物質の組成は分かっているが、論文や年度が分からない場合や特定の組成の物質をまとめて調べたいなどは「Browse」より「Search」が有効かと思います。
Search by structural formula
“Search by structural formula”→”JSME search”から構造、またはその一部を記載して一致する結晶構造を検索する事が可能です。
http://www.crystallography.net/cod/jsme_search.html
以下の画面に構造を書き込めば対応する物質が検索できます。(こちらの検索は少し時間がかかります。下記の検索条件で大体数十秒程度待ちました)
こちらは組成だけでは物質を特定しづらい時に有効かと思います。
4. まとめ
ここではCODのライセンスと引用について、また簡単な使用方法について紹介しました。COD含めたデータベースサイトは、物質の構造の調査に非常に有効です。必要な引用を忘れないよう注意しつつ積極的に活用できれば良いかと思います。