DiracQの使い方
Last Update:2021/12/09
概要:
DiracQはMathematicaのノートブックで、スピン演算子やフェルミオン演算子の交換関係を代数的に計算することができます。このレビューではDiracQの簡単な使い方を説明します。
ダウンロード:
DiracQのホームページ
http://physics.ucsc.edu/~sriram/DiracQ/DiracQ_Home.html
からか、GitHubから
https://github.com/jgwright1986/DiracQ
ダウンロードします。
インストール:
手元のPCでMathematicaを立ち上げます。使ったMathematicaのバージョンは12.0です。以下のコマンドを実行してください(ちなみにShift+Enterで実行されます)。”PATH”はDiracQ-masterがあるディレクトリパスに置き換えてください
SetDirectory["PATH/DiracQ-master/DiracQ"] Get["DiracQV1.m"]
DiracQのパレットが表示されれば準備完了です。
なお、他の方法としてパレットのインストールを利用する方法もあるそうです(バージョンは11.2で確認)。Mathematicaのメニューのパレットからパレットのインストールを指定します。
そして、ソースとして「ファイルから」を選択して、DiracQの中に入っているDiracQ-master/DiracQ/DiracQV1.mを指定します。
もう一度、パレットの中から、DiracQV1を選択します。DiracQのパレットが表示されれば準備完了です。
デモンストレーション:
あとは通常のMathematicaのノートブックと同様に使えます。
まずはスピン演算子の交換関係を計算してみましょう。起動したパレットの”Active Operator”から交換関係を計算した演算子を選びます。スピン演算子はσなので、そこのボックスにチェックを入れます。ちなみにパレット上部のIncluded Operatorsの箇所にDiracQが対応している演算子が説明されています。
サイトi上のスピンαのスピン演算子はσ[i,α]。交換関係はCommutatorですので
Commutator[σ[i, x],σ[i, y]]
とすれば
2 i σ[i, z]
という結果が返ってきます。
ここでσ[i, α]はサイトi上のスピンαのスピン演算子です。
次にフェルミオン演算子の半交換関係を計算してみましょう。フェルミオン演算子をアクティベイトするのを忘れないようにしましょう。
フェルミオン演算子はf[ i,±1]のように表します。
ここでf[i, α]はサイトi上のスピンαのフェルミオン演算子です。
AntiCommutator[f[i, 1], f†[j, 1]]
を実行すると、
δ[i, j]
が返ってきます。
簡単な使い方は以上で、他にも例がDiracQの中にあるExamplebook_V1.nbにのっていますので参考にしてください。