DCoreの物性研スパコン(sekirei)上での実行例
Last Update:2021/12/09
はじめに
DCore動的平均場理論による多体電子系の数値計算を行うためのツール群です。第一原理計算の結果からwannier90やRESPACKによって有効強束縛モデルを構成し、解析することが可能です。
ここでは物性研究所スーパーコンピュータ・システムB(sekirei)を用いて、DCore内で定義されている簡単なモデル計算を行ってみましょう。本ページの内容は、物性研究所スーパーコンピュータの下記Webサイトを参考にしています。
sekirei上での実行例
1.結果のグラフを端末で表示させるために、sekireiにログインする際に、sshコマンドの-Xオプションをつけておきます。(計算結果の表示には、手元のPC上でX-Windowsシステムを動かしておく必要があります。計算を実行するだけであれば不要です。)
ssh ユーザ名@sekirei.issp.u-tokyo.ac.jp -X
2.ログイン後、DCoreの計算環境の準備を行います。
source /home/issp/materiapps/triqs/triqsvars.sh
3.二次元正方格子ハバード模型(ハーフフィリング)を動的平均場近似によって計算する入力ファイル・スクリプトファイルをコピーしておきます。
cp -rf /home/issp/materiapps/triqs/doc/tutorial/dcore/square . cd square cp /home/issp/materiapps/triqs/sample_jobscript/dcore.sh .
4.インタラクティブキュー(i18cpu)にジョブを投入します。
qsub dcore.sh
5.しばらくすると(計算自体は一分程度)終了し、出力ファイルsquare.out.h5が生成されます。後処理も行われます。得られたグリーン関数から一粒子スペクトル関数(A(k,ω))を表示させるには、以下のコマンドを実行します。
gnuplot square_akw.gp
この計算結果から、オンサイトの相互作用(U)によって、
ギャップが開いている様子がわかると思います。
おわりに
ここでは簡単な計算例を紹介しました。wannier90,RESPACKを用いたより実践的な計算については、DCoreのWebページにある下記チュートリアルを参考にしてください。